更年期

更年期に肌が乾燥・かゆくなるのはなぜ?肌の変化と皮膚科への相談目安

肌の変化を気にして頬に触れる40代後半の女性のイメージ写真
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40代、50代になってから、肌が前より乾燥する、化粧水がしみる、急にかゆくなる。そんな変化に気づいて、「これも年のせいなのかな」と感じていませんか。年齢や季節のせいだと思って我慢したり、反対に新しい美容液をいくつも試したりしている方もいるかもしれません。

更年期の前後には、女性ホルモンの変化とともに肌の状態が変わることがあります。一方で、肌の不調がすべて更年期だけで起きるわけではありません。乾燥やかゆみの背景には、洗いすぎ、化粧品によるかぶれ、湿疹など、皮膚科で確認したい原因が隠れている場合もあります。

この記事では、更年期と肌の関係や、乾燥・かゆみが気になるときのケアについて解説します。

更年期に肌が乾燥・かゆくなることがあるのはなぜ?

皮膚にも女性ホルモンの影響が及ぶ

女性のライフステージと女性ホルモン(エストロゲン)の分泌変化を示した概念図

図:女性のライフステージに伴うエストロゲン分泌の概念図です。初経・閉経の年齢やホルモン変化の時期には個人差があります。¹³⁾–¹⁵⁾

更年期は、閉経の前後にあたる時期です。卵巣の働きが変わり、女性ホルモンのエストロゲンが少なくなっていきます。エストロゲンは肌にも関わるため、この時期に乾燥やかゆみを感じる人もいます。¹⁾

更年期の肌変化にはエストロゲンだけでなく、季節やスキンケアなども関わります。原因を一つに決めつけず、症状を見ながらケアしていきましょう。²⁾³⁾

乾燥やかゆみ以外の変化も報告されている

更年期の前後には、乾燥やかゆみのほか、肌のハリや髪の変化が気になる人もいます。²⁾

しみやしわには紫外線も関わります。日焼け止めや帽子、日傘を使って紫外線を防ぎ、乾燥が気になるときは洗い方と保湿を見直しましょう。³⁾

研究の結果には幅があり、個人差も大きい

81人を調べた2025年の研究では、閉経後と閉経前で、皮膚から水分が逃げる量に明確な差は見られませんでした。⁴⁾

別の小規模研究では、閉経後の皮膚でうるおいを保つ成分に変化が報告されています。⁵⁾

研究の方法や測定した部位はさまざまで、結果も一つにはまとまっていません。更年期に肌の変化を感じる人はいますが、まずは今の症状に合わせてケアを選びましょう。⁴⁾⁵⁾

症状が続くときや、赤み・かゆみが強いときは、自己判断を続けず皮膚科で相談してください。

肌の変化を「更年期だけ」と決めつけないために

乾燥に見えても、湿疹やかぶれが隠れていることがある

乾燥やかゆみ、赤みは、湿疹や化粧品によるかぶれなどでも起こります。更年期の肌と皮膚疾患を調べた2026年のレビューでも、病気によって関連の強さは異なり、まだ分かっていないことが多いと報告されています。⁶⁾

赤みやぶつぶつが続く、化粧品がしみる、かゆみで眠れないときは、保湿だけで我慢せず皮膚科へ。美容液や市販薬を次々に足す前に、肌の状態を診てもらいましょう。

肌に触れるものや生活環境も振り返る

洗面台で顔をやさしく洗う40代〜50代女性

肌の調子が変わった時期に、化粧品や洗顔料を変えていないか振り返ってみましょう。熱いお湯で長く洗う、タオルでこする習慣も、乾燥や刺激につながることがあります。

紫外線も肌の変化に関わる要素です。40歳以上の女性128人を対象とした横断研究では、閉経状態や紫外線曝露などと、しわに関する遺伝的要因との関連が調べられました。ただし横断研究であり、特定の生活習慣がしわを直接引き起こすと証明したものではありません。⁷⁾ できる範囲で日焼け止め、帽子、日傘などを組み合わせ、肌の調子を見ながら続けられる方法を選びましょう。

肌が敏感なときは、ケアをシンプルに

赤みやヒリつきがあるときは、新しい化粧品を増やさず、刺激を感じないいつもの洗浄料や保湿剤に戻して様子を見ましょう。

  • 新しい化粧品や美容液をいくつも追加しない
  • 洗顔やクレンジングで肌をこすらない
  • 入浴は38〜40℃を目安にする
  • 入浴後はタオルでこすらず保湿する
  • 処方薬は自己判断で中止せず、医師に相談する

赤みやかゆみが続く、広がる、眠れないほどつらいときは、セルフケアだけで様子を見ず皮膚科へ相談してください。

更年期の乾燥肌に、まず見直したい毎日のケア

洗面台のトレイに置かれた化粧水と保湿クリーム

保湿は「高価なもの」より、続けられて刺激の少ないものを

洗顔や入浴のあとに肌がつっぱるときは、こすらず水分を押さえて、早めに保湿しましょう。まずは使い慣れていて刺激を感じない保湿剤を一つ続けるところから始めてみてください。赤みやかゆみが強いときは、保湿剤を増やすより皮膚科で相談しましょう。⁸⁾

香料や清涼感がしみる場合は避け、肌に合うものを選びましょう。「敏感肌用」でも刺激を感じることはあります。使うたびに赤みやかゆみが増える場合は中止し、皮膚科へ相談してください。

新しい製品を試すときは一つずつにすると、肌に合うか確かめやすくなります。

洗いすぎや摩擦を減らす

洗顔や入浴では、肌を強くこすらないようにしましょう。お風呂は38〜40℃を目安にし、42℃以上の熱いお湯は避けるのがおすすめです。入浴後はタオルでこすらず水分を押さえ、早めに保湿しましょう。日本皮膚科学会のガイドラインでも、38〜40℃が目安とされています。⁸⁾

肌が荒れている間は、ピーリングや角質ケアなど刺激の強いお手入れを控えめに。処方薬を使っている方は、自己判断で中止せず処方した医師に相談してください。

洗顔後にひりつきや赤みが続くときは、製品を増やさず、肌に触れるものをシンプルにして皮膚科へ相談しましょう。

保湿の方法や製品選びに迷ったら相談する

赤みや湿疹があるときは、保湿剤だけでは治療が足りない場合があります。何を使うか迷ったら、肌の状態を見てもらいましょう。

受診時は、使っている製品名や薬を伝えると相談が進めやすくなります。「この赤みは乾燥?」「治療が必要?」など、一番気になることから聞いてみてください。

皮膚科と婦人科、どちらに相談すればよい?

皮膚症状と更年期症状に応じた相談先の目安

肌の症状が中心なら皮膚科で確認する

診察室で皮膚科医に相談する40代〜50代女性

乾燥、かゆみ、赤み、湿疹、かぶれなど、皮膚そのものの症状が続く場合は、皮膚科が相談先の一つです。更年期の時期に始まったからといって、原因が必ずホルモン変化とは限りません。皮膚科では、肌の状態や症状の経過を見ながら、湿疹やかぶれなど別の原因がないか確認します。

かゆみが強く日常生活や睡眠に影響する、赤みや湿疹が広がる、痛みや腫れがある、ケアを見直しても繰り返す場合は、受診を検討してください。症状が急に強くなった、発熱や全身の不調を伴う、広範囲に水ぶくれやただれが出たときなどは、早めに医療機関へ相談してください。ここに挙げたのは一般的な目安で、受診時期は症状や体調によって異なります。

ほてりや睡眠など、更年期症状も気になるなら婦人科へ

肌の変化に加えて、ほてり、発汗、月経の変化、睡眠や気分の不調なども気になっている場合は、婦人科や更年期外来に相談する方法があります。皮膚科と婦人科は、どちらか一方だけを選ぶ必要はありません。肌の病気の診断と、更年期症状への相談は、目的に応じて別々に行うことができます。

日本女性医学学会は、皮膚の症状だけを目的にホルモン補充療法を積極的に勧めるにはデータが不十分として、症状がある場合には婦人科の更年期外来などで相談するよう案内しています。¹⁾ 更年期症状の治療を希望するときは、肌だけで判断せず、症状全体や健康状態を含めて医師と相談してください。

ホルモン補充療法を肌だけの目的で始めない

ホルモン補充療法(HRT)が肌に与える影響を調べた研究はありますが、結果は一貫していません。肌の乾燥やしわだけを目的に始める治療ではありません。⁹⁾¹⁰⁾

2025年のレビューでも、肌だけを目的としたHRTを勧めるには、十分な臨床試験が不足しているとされています。¹¹⁾¹²⁾

HRTには適応や注意点があります。肌のために自己判断で始めたり、治療を変更したりせず、更年期の症状や希望を婦人科で相談してください。

よくある質問

更年期になると、必ず肌が乾燥しますか?

全員に起きるわけではありません。乾燥やかゆみが気になるときは、更年期だけのせいと決めつけず、洗い方や使っている製品を見直してみましょう。

肌の乾燥は保湿だけで治りますか?

保湿のほか、顔や体の洗い方や入浴方法を見直すと楽になることがあります。赤みやかゆみが続く、悪化する、繰り返す場合は皮膚科へ。

更年期の肌の乾燥やかゆみは、いつまで続きますか?

続く期間には個人差があり、閉経後に必ず落ち着くとは言えません。乾燥やかゆみには更年期以外の原因もあるため、長引く、繰り返すときは皮膚科で相談しましょう。²⁾⁶⁾

肌の乾燥やかゆみは、顔以外にも出ますか?

顔だけでなく、体にも乾燥やかゆみが気になることがあります。顔以外も洗いすぎを避け、入浴後に保湿しましょう。赤みや湿疹が続く場合は皮膚科へ相談してください。¹⁾²⁾

まとめ

更年期の前後に乾燥やかゆみを感じることはあります。肌の不調は更年期だけが原因とは限らないため、症状に合わせてケアや相談先を選びましょう。

まずは熱いお湯や摩擦を避け、入浴後に保湿することから始めましょう。赤みやかゆみが続くときは皮膚科へ。ほてりや月経の変化も気になる場合は婦人科で相談できます。

参考文献

1) 日本女性医学学会Hp

2) Zouboulis CC, Blume-Peytavi U, Kosmadaki M, Roó E, Vexiau-Robert D, Kerob D, et al. Skin, hair and beyond: the impact of menopause. Climacteric. 2022;25(5):434-442. doi:10.1080/13697137.2022.2050206. PMID:35377827.

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13) 日本産婦人科医会. 女性のライフステージと女性ホルモン [資料]. [Internet]. [cited 2026 Oct 11]. Available from: https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2023/12/f1cebf4f2583d811ca58b96cbc77edaf.pdf.

14) 日本産科婦人科学会. 閉経っていつ?どうなる? In: HUMAN+ 女と男のディクショナリー [Internet]. [cited 2026 Oct 11]. Available from: https://www.jsog.or.jp/public/human_plus_dictionary/book.pdf.

15) Burger HG, Dudley EC, Robertson DM, Dennerstein L. Hormonal changes in the menopause transition. Recent Prog Horm Res. 2002;57:257-275. doi:10.1210/rp.57.1.257. PMID:12017547.

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ゆう先生
ゆう先生
皮膚科専門医・アンチエイジング専門医・栄養療法ドクター
肌年齢20代の40代皮膚科専門医が、15年以上の診療経験をもとに、医学的に正しいスキンケアや栄養の情報をわかりやすくお届けします。 ずぼらでも続けられる、肌と体の健康法を発信中。
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